青ちゃんのプライベート暮らし
12月25日(月)から12月30日(土)大地年末ウィンターキャンプ
12月25日(月)
22日からの恵みの雪が幸いしてスタートした年末キャンプ。午後1時半には勢揃いし、自己紹介等の後、早速スキーウェアに着替え、野外炊事場兼食堂で、食事の仕込み。通例通り、衣食住全て子どもたちが基本的に賄っていくというスタイル。
3升にも及ぶご飯とぎ、5キロにも及ぶジャガイモ にんじん タマネギなどの仕込み 7キロのパン捏ね など、皆で行う。そして、雪遊び。少ない雪の中、ドロドロびしょびしょになりながら、たっぷり暗くなるまで、初日から遊ぶ。薪ストーブの部屋で夕食を楽しむ。今回から、基本大地の食器を使い、5グループに分かれ、その都度じゃんけんをして、負けた2グループが、食器洗い拭き片付けを受け持つゲームとする。盛り上がりながらじゃんけんをして片付け。その後、パン練り 自由遊び ハンカチ落としなどで遊ぶ、午後9時 広いホールにて、全員でシュラフを敷き、大地名物のお話を聴きながら就寝。
12月26日(火)
2日目。午前6時起床。マイナス5度を超える冷え込みの中、ウェアに着替え、外で焚き火をして、その上に 昨日仕込んだすいとんを鍋に入れてかける。そして、暖まるまでの間散歩。近くのレストランの駐車場が、冷え込みのためスケートリンク状態。ここで、たっぷりスケート遊び。戻ってきて、寒さの中、温かいすいとんの朝食。終後後 昨晩練り上げたパンの成形をして石窯に火を入れる。そして ソリを持って、ソリ遊び遠征に出かけ、たっぷり遊ぶ。この間、まだ天気は回復せず、厳しい寒さで曇っている。戻ってきた頃、ようやく天気が回復し、温かいシチューと石窯の焼きたてパンでの昼食。焚き火を囲んでの昼食は最高だ。午後は、五右衛門風呂を焚いたりしてお風呂に入ったり、雪遊び 野球 裸での遊び、それぞれ気ままに遊び、真っ暗になるまで遊ぶ。夕食は、中華丼。たっぷり食べ、その後も皆で遊び、午後8時にはさすがに眠くなり、8時半にはお話を聴いて就寝
12月27日(水)
朝6時起床。定番になっている朝の散歩。もちろん気温はマイナス5度を超えている。朝食前に一遊びした後、朝食。朝食後は、うどん作り。室内で粉(6,5キロ)をねり、足で踏み続ける。青ちゃんは、ひたすらかきあげの天ぷらを竈で揚げ続ける。生地を寝かしたあと、外の調理場で製麺機を使い、うどんを作る。のす、切るという優れた機械。全て、昭和初期から使われている優れもの。出来上がった生地(麺)を竈で釜揚げしての天ぷらうどんを、火を囲んでの昼食。午後は、雪遊びに興じ、夕食は、とんでもない量のおでん(薪ストーブで昨日から煮ていた)を食べる。食後は、本日誕生日を迎えた子どものために、今朝薪ストーブで焼き上げた豆乳ときな粉を使った青ちゃんスイーツの誕生ケーキで祝う。ハンカチ落としで盛り上がり、疲れもあり、8時半には、お話を聴いて就寝。
12月28日(木)
朝の夜明けは素晴らしかった。赤々とした満月が西の空に輝き、山を染めている。同時に、東の空が赤く染まってくる夜明け。朝の寒さの中、子どもたちは、そんな世界に毎朝出かけて行った。朝食後、まだ残る雪を求めて大地の周辺に遠征して、たっぷり残り少ない雪遊びで終日楽しむ。暗くなるまで終日外で遊ぶので、お腹はいつも食欲旺盛。中学生も小学生低学年も、変わらずに食べるほど。毎回、気持ちの良い食事となる。派手な活動内容ではないが、地味ながらも心に染みていくようなリズムのある日々を送り、仲間との関わりの味が深まっていく。毎晩のノンタン母さんのお話は、今回十二支のえとシリーズである。(ねずみのすもう はなのすきなうし ねこせんせいととらのおでし かちかちやま いたずらこうさぎ しろいりゅうくろいりゅう みっつのねがい 魔法の馬 くるみわりのけいと さるのいきぎも とりのみじさ いぬになった王子 十二支のおこり)
12月29日(金)
雪が降らないキャンプ終盤。いつものように朝6時過ぎには散歩に出かける。子どもたちが更に終盤盛り上がるように、活動内容など子どもたちが主体的に創造的に過ごせるように変更考慮した。早朝に、薪ストーブオーブンで巨大な豆乳きな粉青ちゃんスイーツチーズケーキを焼き上げた。本日は 鼻見城趾ツアーに変更。そして、夕食の最終日恒例のディナーを、ご飯から自分で作るオリジナルパン作りに変更。最終日の明日は、ラーメン作りに変更した。朝食後、8時半過ぎには、約3キロ離れた鼻見城趾へ出発。頂上では雪合戦や崖を下ったりしてたっぷり遊ぶ。帰り道の水路の橋では、水路にわざと落ちたりして盛り上がる。お昼に戻り、昼食後は、夕食のディナー作り。ミートローフ ボルシチ サラダそして、オリジナルパン作り(4,5キロ)と目白押し。その間に、五右衛門風呂に入って盛り上がる。ミートローフ パン と石窯がフル稼働。夕食には ナイフとフォークを備え、巨大な長テーブルを用意して、皆で顔をつきあわせてのディナーで盛り上がった。もちろん、デザートはチーズケーキ。そして、夜は 青ちゃん覚えたてのお話「世界の果ての井戸」を1時間にわたり、聞きながらいびきを皆かいて眠った。3ヶ月かけて覚えたおはなし、予想通り 20分過ぎには皆寝ていた。最後まで聞いた子は如何ほどか?
12月30日(土)
最終日。早朝4時から、年末大晦日のそばを3キロほど打った。そう、ガラス窓から、ガラス窓から覗いている子ども達。気がつくと6時過ぎになっていた。本日のラーメン作りと勘違いしているのかどうかわからないが、次回のキャンプは そば打ちか!?
ラーメン作りが本日ギリギリまでかかるので、朝の美しい夜明けの恒例の散歩後、薪ストーブ焼きたてトーストをたらふく食べた後、荷物片付け清掃をすませ、8時半にはラーメン作り。もちろん、中力粉(6キロ)を作り、タンサンを入れ(かんすいは使用せず)2度寝かせて、製麺機で麺を作り、握って縮れ麺を作る。竈では タマネギ 挽肉 ニンニクショウガ もやを入れ 、大地自家製味噌を入れたラーメンスープを作った。どんぶりは 本格的ラーメンどんぶり。抗して、11時過ぎには グループ毎、自分たちで打ったラーメンをたっぷり食べた。温かい日差しの中で、ゆっくりと満足いくほどらーめんを味わった。
大地キャンプメニュー
プロパンガス電気不使用 完全薪竈石窯だけで作り上げた。世界の紛争の原因は、エネルギー資源の取り合い。このエネルギーに頼らない暮らしを一人一人していくことが、紛争を少しでもなくす事ができるのではないかと、小さな事から始めようとの思いで、このキャンプもその信念を貫こうというスタイル。お湯を沸かす、冷えたものをちょっと暖める・・・というだけでも、竈や石窯のある野外まで行く手間、薪ストーブを使う手間(ガスやレンジだとスイッチ一つその場でできる) ・・・面倒くさいといえばそれまでだが、こんな時、よく映像で流れる世界の紛争 飢えている子どもたちの顔、現在のウクライナやイスラエルの紛争の犠牲者達の顔を浮かべると、こちらの手間や面倒くささは、屁でもない!! 思いだけでなく、自分たちで少しでも行動 暮らしの実践をしていこうと思う。
12月25日 夕食:ご飯(3升) カレーライス (仕込みは シチュー すいとん パン7 キロ練る)
12月26日 朝食:すいとん 昼食;石窯パンとシチュー 夕食;中華どんぶり(仕込みは おでん作り)
12月27日 朝食:とろろごはんと味噌汁 昼食:天ぷらうどん(粉6キロ)夕食;おでん(大根 コンニャク はんぺん ちくわ 卵 (仕込みは 豚汁材料)
12月28日 朝食:ご飯 豚汁 昼食;カレーうどん 夕食;鍋(白菜 えのき シメジ 大根 にんじん 鶏つみれ)
12月29日 朝食;雑炊 昼食:あんかけ焼きそば 夕食:ミートローフディナー
12月30日 朝食:パンとスープ 昼食:ラーメン
総括
予想された暖冬雪不足。ウィンターキャンプは やはり子どもたちは雪遊びを期待! 雪がなければ 雪のある山まで移動して連れて行く ことも考えたが、それよりも、ある雪で遊び(子どもは遊びの天才) 仲間と暮らしで工夫して魅力を発見して盛り上がることを選択優先した。アルペンスキーや刺激的な遊びを提供するのも素晴らしいが、地味だが日々の暮らしを味わい深くじっくりと生活を楽しむほうが、しとしとと心に染みこみ、素晴らしい思い出記憶と将来に刻まれるのではないかと思う。
子どもたちの活動の、たぶん半分近くは、食事の仕込み 準備 調理などに当てられた。しかも、それらは いつも主体的に楽しそうに全員が盛り上がった。1年生から中高生まで一体となってわいわい楽しむ。特に、大地のキャンプにやってくる思春期の中高生は魅力的で面白く、特に小さい子どもたちと純粋にしかも知的に更にユーモアと独特の世界観と自己肯定感と他人への寛大さと素直さを持っているから面白い。そして、子ども心の純粋さも。
たぶん家庭ではどうかわからないが、野菜などの皮むき すりおろし 包丁 パンやうどん捏ね 竈炊き 風呂焚き など、マニュアル的な技術指導を教えるやり方ではなく、食べるために準備調理するという単純な行動だけで、おしゃべりをしながら楽しんで作り上げている。それらの調理出来上がる過程全てが 目の前の竈や石窯でできていくのを目の当たりに見ることができる環境。食欲が高まる訳である。
今回から、持参したコッヘルは遠征時(今回は遠征がなかった)しか使わず、全て大地の食器だけを使ったので、見栄えもおいしさも高まった。そして、毎回じゃんけんによる片付けも盛り上がった。仲間でやるから担当グループも楽しそうであった。
専門の調理員がいて、大人だけで作り上げ、子どもたちに提供する事は大人は簡単だ。こどもと一緒に行うには、調理器具から段取りから調理方法まで一緒にやらなければならない。一方的に大人だけで作り上げた方が楽でスムーズにいく。
子どもたちも、たっぷり終日遊んで、食事の時だけ提供されたものを食べるという通常行われている合宿スタイルは、楽かもしれない。準備も片付けもしないので楽だ。
でも、大地は違う。中途半端ではなく、完全に生活を共にする楽しみ、一緒に作り食べ一緒に眠る。ブームのキャンプでは、一人用のテントが主流になり、仲間で登山やキャンプに行っても、寝るとき食べるときは、一人用のテントで楽しむらしい。どんどん一人の時間を好む事が増えてきた。他人から干渉されず、面倒くさい人間関係を避けれるからだ。
しかし、人は一人ではあまりにも寂しい暮らしである。幼い頃から、人と楽しむ関係を味わって欲しい。その面白さ、他人への寛大さ 一人一人違う面白さ 多様性のある魅力を小さい頃から 言葉ではなく暮らしで味わって欲しい。だからこそ、大地のキャンプは 魅力あるプログラムを日毎に時間を区切って提供するのではなく、暮らしそのもの全体を単純に味わい、大家族で暮らす楽しさ魅力を味わって欲しいと思う。子どもたちの日々を見ていて、十分な手応えを感じている。
これからの大地のキャンプは 暮らしそのものを創造的にユーモアと面白さと子供心を持って、衣食住お話など全てを、子どもだからこそ超一流のものを追求して、作り上げていきたいと思う。手前味噌であるが、大地の食事は、世界一手間暇かけた原始火で作り上げた味わい深い美味しいものだと自負している。無添加無農薬材料や調味料はもとより、子どもたちのエネルギー溢れたビタミン愛がたっぷり溢れている。環境も周囲に気兼ねせずにたっぷり終日遊べる。お話も絵本や児童書も、最高のものを揃え、語り手も一流を目指して努力している。
そして、何より スタッフが二十四時間子どもたちと衣食住全てを共にするという超ブラック企業!?で、働いている・・・・・
自画自賛で申し訳無いが、「本当に楽しいことは 決して楽なことではない」をモットーに、キャンプ終了後は、苦労して登った登山の頂上に着いたときの至福の時と同じ感動と充足感を毎回味わわせてもらっている。本当に感謝。まだまだ これを味わうために、元気に進んでいこう。
青山 繁(66歳) 伸子(65歳)