青ちゃんのプライベート暮らし

3月24日(日)スプリングキャンプ開始

3月24日(日)

春のキャンプ第一陣到着。自己紹介の後、恒例の仕込み調理に入る。野外の台所、ガンガーで、皮むき 野菜切り 竈炊きなど、それぞれ好きなところで調理する。約2時間ほど行った後で、まだ雪の残る大地で、雪遊び ソリ滑りなどの遊びに興じる。夕ご飯は 大量の天ぷらを2時間近く、竈で揚げ続け、焚き火を囲んでの天丼を味わう。ほぼ満月にちかく、美しい月を見ながら ノンタン母さんの お月さまのお話を聴く。その後、室内にて 恒例のハンカチ落としを楽しみ、8時半就寝。1時間近く、お話を聞いて眠る。

3月25日(月)

朝5時半頃には、外の焚き火に集まってくる。火を囲んで朝を迎える豊かさ。そのまま、散歩に出かけた後は、帰ってきて朝食を味わい、雪遊びソリ遊びの準備。雨降りが予想される中、斑尾高原の恒例の廃止されたスキー場へ出かける。とんでもない斜度と長距離のコースを滑り降りる。一度下まで降りると、30分以上かかって登ってくる。ここを何度も繰り返す気力は凄い。後半は、雪像作り。柴犬のムギちゃんが大人気であった。お昼に戻り昼食。午後には、第2陣が到着。雨がポツポツ降り出す中、第2陣は、そのまま、入れ替わりで、午前中のスキー場へ。雨も降ることなく、延延と5時近くまで遊び続ける。夕食を皆で食べ、その後は 室内で、明日のパンの仕込み、そして、ハンカチ落とし。大勢の子どもたちが勢揃いして、活気が更に溢れてきた。同じように お話を聞いて就寝。

3月26日(火)

春の天気は不安定だけに、朝から雨降り。よって本日は、雨降りの中、外の東屋のガンガーで料理作りを楽しむ。朝食後、昨日仕込んだパン生地で、グループ毎に、パン作りを行う。グループ決めは、抽選で使われるガラガラポンで、色別にグループを決めた。それぞれ トカゲや花びらや巨大クロワッサンなどが作られる。隣の石窯では、ベーコンが作られ、そのベーコン入りたっぷりのパンも焼かれる。それらを石窯で焼いて、シチューとともに、最高の昼食を味わう。

午後も、引き続き雨降りの中、夕食のうどん作り。室内で生地作り、粉を混ぜ 寝かせ そして、足で踏んで、うどん生地を作る。それを、ガンガーに持ちこみ、ここで グループ毎に、製麺機で麵作り。同時に、五右衛門風呂の風呂焚きも行われる。この製麺機はとても楽しく、伸す 切るなどを、子どもでも回しながら行う事ができる。日本製パスタマシンである。素晴らしい麺が次々に完成。その場でゆで上げる。今回のうどんは 関西特有のたぬきうどん。カタグリコで、お揚げなどをどろどろにして、ショウガなどを混ぜて、とろりと上にかける。その間、交代で五右衛門風呂を楽しむ。

たっぷり特製たぬきうどんを味わったあと、室内で、昨日とは違うグループが、パン生地を作り上げる。その後、いつものように、ハンカチ通しやカードゲームやお絵かきなど、思い思いに楽しんだ後、お話を聴いて就寝。

3月27日(水)

素晴らしい夜明け。大地の丘から素晴らしい日の出を拝む。焚き火を囲んで、雑炊の朝食。その後は、パン作り第2弾。新しいグループを作り、再びグループ毎のパン作り。今回は コンテストで、皆で一番食べてみたいパンに投票する。みな、巨大な素晴らしいパンに挑戦していた。発酵時に、本日誕生日を迎えた子どもの母親から、ケーキの差し入れがあり、急遽、大地風誕生会を野外で行った。そして、石窯でパンを焼き、次々に甲乙付けがたいパンが完成。本日のスープはボルシチ。

午後は、カレー材料や中華丼の仕込み。午後から海へキャンプに行くので、夕食のカレーとご飯炊き(ご飯は 保温箱に入れて持参) カレーは 焚き火で暖めるだけ。中華丼は、海から帰ってきた時のお昼。

午後3時には、美しい日本海に到着。すぐに、たくさんの流木を集める。そして、思い思いに夕暮れまで海岸遊び。初めて日本海に沈む夕日(太平洋岸に住む子どもたちの参加者多し)をみて、皆感激していた。流木の焚き火を囲んで、お話を聴いて楽しむ。そして、満月と星空と潮騒を楽しみながら、今キャンプ初めての野宿となる。暗闇に残る焚き火の美しさ。

3月28日(木)

青ちゃん 朝3時半から潮騒と焚き火を楽しみ、夜明けのモルゲンロートを一人楽しむ。5時半頃から 一人二人と寝袋から出てくる。焚き火には、昨日のカレーの入った大鍋がかけられ、その中にうどん50袋が入れられた。朝日とともに、朝食。50袋のカレーうどんは、あっという間に無くなる。その後、11時前まで、焚き火で拾ってきたクルミを焼いたり、砂遊びをしたりして、思い思いに過ごす。12時半、大地へ戻り、中華丼を食べる。そして、夕ご飯の餅つきの準備。3升の餅米が蒸かされ、5時前から餅つき開始。つきたてのお餅を丸めて、手のひらに、きな粉やあんこを付けて、その場で頬張る繰り返し。お雑煮用のお汁も用意されて、こちらも大人気。たっぷり食べているうちに、雨が降り出し、夜半には、本降りとなる。今夜も室内で就寝。

3月29日(金)

朝から雨降り。6時過ぎまで シュラフ内でごろごろして楽しんでいる。朝食は、雨の中駆けだして、ガンガーで、とろろご飯を食べる。その後、本日帰る子どもたちは、荷物の整理、大掃除などをしてから、五右衛門風呂に入ったり、カードゲームをしたりして楽しむ。お昼は、大量のすいとんをたらふく食べる。この頃から、天気が回復して、温かい好天となる。皆で12時半に見送る。残った子どもは、11人。午前中仕込んだパンを、ハンバーガー用のバンズを作り焼く。中身は 豆腐ハンバーグを作り、石窯で焼く。バンズと豆腐ハンバーグタマネギキャベツレタスソースケチャップマヨネーズを自分で塗って作った。付け合わせは、にんじんグラッセと大地の林檎。大地のお皿を使い、最終日恒例のディナーが行われた。そして、好天のお陰で、大地のスロープで、流れ星を見ながら、眠りについた。

3月30日(土)

最終日の朝、3時半過ぎから焚き火が行われた。昨晩は 遅くまでしゃべっていたにもかかわらず、暗闇の中で 2時間ちかくかかって、火をつけたらしい。この過程が、子どもたちにとって素晴らしい事である。6時には、素晴らしい朝日 日の出を味わい、その焚き火を囲んで、スープを温め、昨日焼いたパンを、焚き火トーストにして味わった。これが大人気であった。その後、荷物整理、掃除をしてから、好天の下で、大地で思い思いにゆったりと過ごした。お昼は あんかけ焼きそば。大鍋いっぱいのあんかけも焼きそばもあっと言う間にからっぽになった。そして、1時 無事終了となった。

【今回の食事メニュー】

24日 夕食  天丼(かき揚げ ちくわ サツマイモ)  すまし汁

25日 朝食  4食丼(卵 納豆 青菜 鶏そぼろ)  味噌汁

昼食   スパゲティナポリタン

夕食   鳥鍋(白菜 キノコ にんじん 大根) 竈ご飯

26日 朝食       天丼とろとろどんぶり(天ぷらを 天つゆで煮立て かたぐりこで溶く

昼食   グループオリジナルパン  シチュー

夕食   手作り製麺機関西風たぬきうどん

27日朝食   雑炊(鶏と野菜のおだしたっぷり)

昼食  グループオリジナルパン第2弾 ボルシチ

夕食   海にて 流木焚き火海岸カレー

28日朝食  海岸カレーうどん

昼食   中華丼

夕食   餅つき あんこ きな粉 すまし汁(お雑煮風)

29日朝食  とろろ納豆ご飯 お味噌汁

昼食  すいとん

夕食  手作り石窯ベジバーガー にんじんグラッセ 林檎 豆乳スープ

30日朝食  焚き火石窯パントースト ゆで卵 コールスロー 豆乳スープ

昼食  あんかけ焼きそば

 

焚き火 竈 石窯 による 完全非化学燃料調理(電気 ガス調理器具不使用)

食事場所は 全て 野外にて(室内にての食事はなし)

調味料 油 マヨネーズ ケチャップ ソース 砂糖類は、生活クラブ 天草の塩

米  大地産無農薬無肥料栽培米    パン 北海道産ゆめちから

うどん 三重県産有機薄力粉 スパゲティ麺 生活クラブ

【スタッフ】

青ちゃん(66歳) ノンタン母さん(65歳) ガーくん(30歳) モッチー(42歳)

ボランティアスタッフ  ぐっちゃん(24歳) まりちゃん(福井大学2年生)

【総評】

春のキャンプは 天候不順。今年は 3月に雪が降り、キャンプ開始時には残雪あり。毎回 春のキャンプは、野外にての野宿が基本であったが、今回は 野外がどろどろかつ天候不順という予想のため、室内にて宿泊。しかし、食事は、雨にもかかわらず、全て 野外での食事を完遂した。

また、参加者が2段階に分かれていたが、ほとんど常連であったので、まとまりは最高であった。そして、6年生の高学年が多く、思春期入り口だけに、その行動や話の内容や雰囲気も、変化成長を感じるものがあった。しかしながら、低学年から参加し続ける常連が多いので、時には 怒鳴られたりどやされたり気合いを入れられたりしながらも、信頼関係は揺るがないものだと思っている。基本的に、皆 オリジナルティに満ちた素晴らしい面白い個性的な参加者達である。

最も、こんな大地のキャンプに参加してくる子どもたちは、海千山千でなければ通用しないかもしれない。寒くても、野外で野宿が基本 食事は 煙にまみれながらの野外、それも 多数のおかずがあるわけでもない 風呂も毎日ではなく、2、3日に一回の五右衛門風呂、魅力的な子どもに媚びたプログラムもない、へたすると終日 石窯や竈や製麺機で、煙にむせびながらご飯を作らせられるブラックキャンプであるかもしれない。こんなキャンプに参加してくる子ども、そして送り出す御家庭は、大地にとっては、最も魅力的で興味深い御家庭であるだろう。感謝である。

「人は 仲がいいからご飯を食べるのでは無く 一緒にご飯を食べるから仲が良くなる」 大地には 「本当に楽しいことは けっして楽な事ではない」「常識のある奇人変人になろう」という3つのポリシーがある。一緒に ご飯を作る、一緒に暮らし生活をするからこそ、仲良くなれると思っている。

現時代において、子どもたちは 細かいプログラム時間割の中で生きざるを得ない。塾 習い事 細かい事では 夕食 お風呂の時間など、決められた細切れの時間の中で暮らしている。更に、常に 次への準備の時間。幼稚園に入れば小学校の準備  小学校へ入れば中学受験 中学に入れば高校受験 高校に入れば大学受験 大学に入れば就活 就活すれば働く ・・・・・・・    立ち止まり考えたり、旅をして自分を見つめたり、じっくりと自分の将来を考えたりすることもなく、常に常に先に備える人生のような気がする。

自分の大好きなことを、時間に追われることなく、ご飯を食べるのも忘れて遊ぶ、お風呂も入らなくても死にやしない 着替えも別に必要なし、日常の細かなしがらみから離れて、思いきり時間にとらわれることなく、自分の成長のために自分の時間を他人に左右されることなく、過ごす事ができる世界を、せめて 幼児期から高校生ぐらいまでは、保証してあげたい、これが大地の教育 キャンプの基本である。時間を忘れて遊び込む集中する習慣習性、そしてその魅力を知り得る者は、必ずライフワークを見つける者 ライフワークを生きる者になると信じている。

大地は、子どもに媚びる事は、今後も行うことはないが、こどもにとって、真の自由 真の主体的魅力を発見できる世界として生き続けていきたいと思っている。

「本当に楽しいことは 決して楽なことではない」 元栓一つひねれば 調理もお湯もすぐにできる楽な快適な生活。お湯をかけて水道を溶かし その冷たい水で自分のコッヘルを毎回洗い、すぐに暖まらない薪ストーブや焚き火で暖をとり、固いマットと寝袋でずっと眠り、煙やすすにまみれながら、素朴なご飯を食べる毎日。そこには、いつも楽しい会話があり、楽しい友がいる。本当の楽しさとは、快適なインスタントな暮らしからは、生まれないだろう。 人生の心に残るドラマ ストーリーは 決して楽な効率性からは生まれない と思っている。

参加者の子どもたち 送り出して下さった御家庭の皆様、そして 24時間勤務のスタッフの皆さん 本当にありがとうございました。感謝!!

 

【追伸】

ガーくんは 27日朝 戦線離脱。妻と子ども2人が 同時インフルエンザにかかり、その看病のため自宅へ戻る。青ちゃん 現場復帰。直後、喉が痛くなりはじめ、28日頃から猛烈な喉の痛み。流行の溶連菌感染症の自己診断。抗生剤を飲まないと治らないので、医者に行こうとしたが、そう言えば 2週間前にガーくんが、かかっていたことを思い出し、抗生剤が残ってないかと聞くと、ラッキー!!なことに、たまたま大地にある荷物内にあるとのこと。29日 30日は、猛烈なのどの痛みと倦怠感であったが、無事 気力と根性とプロ精神で乗り切る事ができた。終了と共に発熱。30日夕方6時には、大地から240キロ離れた恒例の山中温泉着(新年度準備の為逗留) 一晩発熱に苦しんだ後、31日朝 驚異的に解熱 回復。さて、これから、どう楽しめるか?