青ちゃんのプライベート暮らし

4月28日(日)から5月3日(金)旅Ⅰ 飯綱から田園調布280キロ自転車

4月28日(日)飯綱~東御市 80キロ

久しぶりの本格的なサイクリングの旅。自炊道具とシュラフと着替えのみで、東京を目指す旅。もちろん泊まりは、野宿で三食全て自炊。自転車の漕げるところまで行くというスタンスで、大人2名 小4 2名の本格的な旅。朝一番の新幹線で8時15分大地着。8時45分には、彼らの今朝立ったばかりの自宅へ出発。ノンタン母さんのおにぎりを持ち、千曲川沿いを軽快にスタート。北アルプスや桜が美しい。11時45分松代にておにぎり昼食。12時45分篠ノ井にて、偶然大地の家族に遭遇。一緒に戸倉上山田までサイクリングを楽しむ。上田からいよいよ登りが始まる。午後5時、東御市着。文化センターやスポーツ公園を探し、ここの軒下で一泊目の宿とする。持参した野菜を炒め焼きそばを味わい、7時には快適な軒下で就寝。本日の走行時間7時間。

4月29日(月)東御市から藤岡市80キロ

標高が高いので、寒さで朝4時半起床。そのまま荷物をまとめ、浅間サンラインを通り、いよいよ標高1000㍍の軽井沢までのつらい登りがスタート。今回のクライマックス。ひたすら漕いでは押しての繰り返しで登る登る。午前11時碓氷峠制覇。豪快に下りを楽しみ、横川を過ぎて、松井田着。スーパーでうどんを買い込み、そのまま駐車場で昼食。その後、サイクリング道路を探しながら、富岡を過ぎて、藤岡を目指す。午後4時半藤岡着。スーパーの駐車場で知り合った地元のサイクリストの案内で、素晴らしい公園に到着。本日夜半からの雨に備え、素晴らしい開放的な広いホールがホテル代わりとなる。素晴らしい快適さの中で午後7時就寝。本日は、10時間の走行。

 

4月30日(火)藤岡市から大宮市 70キロ

夜半から強い雨。初めての雨の中走行。緊張する。雨のため、走行距離が伸び悩むため、朝4時半起床。すぐにホットサンドを詰め込み、5時30分出発。雨にも関わらず、予想外に晴天と同じペースですすむ。素晴らしい。快調にすすみ、10時待望の荒川サイクリング道路(熊谷大橋)に到着。雨のため、サイクリストには全く会わない。よって、雨の中、縦横無尽に走りまくる。雨が一時止んだので、ラーメンを作り身体を温める。小麦畑、菜の花畑などを走り抜け、さいたま市桜区到着。雨の中、本日の宿探し難航!!  ようやく7時過ぎ、雨の吹き込む覚悟で橋の下発見。立ち入り禁止24時間監視カメラ作動の看板は、連休でありはったりであると思い、フェンスを越えて入り込み、サッサと雨に打たれながら眠る。案の定、警備員に発見され、不法侵入で訴えるから出て行くようにと催促される。他に行くところがなく、子供たちも眠っており見過ごしてもらえないかと頼むが、警備員の首がかかっているというので、迷惑をかけてはいけないと思い、退散を覚悟する。しばらくすると、今回は見て見ぬふりをすると言うことで、最後に「風邪をひかないように頑張れ」と言って下さった。熱い想いの夜が更けていく。本日の走行時間は、12時間。

 

5月1日(水)大宮市から丸子橋田園調布50キロ

朝シュラフもびしょ濡れの状態で4時起床。こうなれば、今日中にゴールしようと覚悟する。朝、別の警備の方がいらっしゃり(事情は知っている)、やさしくいろいろな情報を教えてくれた。別れ際に、また今度来るときは、あそこの警備事務所に一声かけてくれれば、問題なくここで泊まっても良いよ と不思議なやさしい声をかけてくれた。熱い想いを胸に、雨の中、赤羽を目指す。そして、ようやく荒川とさよならをして、板橋から環八に入る。いよいよこれから気の抜けない一般道、車や歩行者達と一緒だ。歩道をゆっくりと今日中につけば良いという思いでペダルを漕ぐ。順調かつ慎重にペダルを漕ぎ、板橋区 練馬区 そして待望の世田谷区に入る。砧公園に入り、ここで濡れた衣服類を地面いっぱいに広げて乾かす。ごはんを炊き(火気禁止であった)、コロッケカレーをたっぷり味わう。午後2時。再び雲行きが怪しくなる。急いで衣類撤収。多摩川沿いに入り、ゴールの丸子橋を目指す。午後3時丸子橋到着。ホームレスの人達と仲良くなり、本日の宿は、この人達と一緒に橋の下と決定。すぐそばに住む参加者の保護者とご対面。感動のお迎えとなる。保護者の方にこの旅の状況を話している中、子供たちは、川で魚を捕まえたりホームレスの方々と遊んだりしている。夕方、食事の準備をしようと思っていると、再び昨晩のような土砂降りの雨となる。買い物にも行けない状況の中、田園調布の参加者のお宅にずぶ濡れになりながら避難。久しぶりの屋根のある場所。食事を頂き、午後8時半就寝。本日の走行時間10時間。

5月2日(木)多摩川で遊ぶ

やはり朝5時半には起床。ぐずつき気味の天気の中、多摩川の橋の下へでかけ、昨日のハゼの赤ちゃんなどをアミで懸命にすくって遊ぶ。お昼は、キャンプ定番のホットサンドを作って楽しむ。午後も再び自転車で多摩川に出かけ、天気も回復してきたので、とうとう多摩川に入り泳ぎ始める。土地柄、ここでこんな風に遊ぶ子供の姿はまれである。さすが、大地のキャンプ。夕方、ノンタン母さんがバスで田園調布着。子供たちへの完走祝福のために、大地の山菜とお話を持ってやってきた。山菜の天ぷらなどを作り、夕食のパーティ準備。お迎えの保護者のかたと一緒に夕食、そして表彰式を行う。、その後蝋燭を点けてのお話会。それから、子供たちの寝ている枕元でのお話を眠るまで行う。場所は違えど大地でのキャンプと全く同じ。午後9時就寝。

 

5月3日(金)田園調布から飯綱 輪行

朝6時起床。朝食後、子供たちは自転車で多摩川に再び遊びに出かける。10時、本屋へ出かけ、日本道路地図を購入して、皆で地図に走ったルートや宿泊場所やエピソードを書き込む。昼食は、外の駐車場でホットサンドを作り、子供たちは屋根の上で昼食。午後2時半、田園調布駅で別れを告げ、もう一人の参加者を連れて東京駅へ。ここで最後の一人とわかれを告げて、キャンプ終了となる。新幹線で自転車を輪行して、無事17時、長野着。

約15年前に、今回のスタッフである雄河が三年生の時、彼の同級生2名とスタッフ1名と青ちゃんの合計4人(伴走車付き運転スタッフ1名プラス)で、同じように名古屋まで野宿しながら走った。今回は、伴走車なしで荷物類を持っての完全旅仕様。雄河くんも「こんなに気を遣うとは思ってみなかった」と実感していた。今回は、決して無謀な旅ではない。冒険とは緻密な計画と気の小ささと祈りがなければ達成できない。それを子供に気づかれないよう、そして管理しないようにさりげなくしなければならない。登山と同じように、ペダルをひたすら漕げば必ず目的地には着く。しかし、一般公道車世界を走るだけにリスクは高い。いかにサイクリング道路を多用して気持ちよくいくかが課題である。

現代ではスマホで道路案内や目的地、到着時間や走行距離などが瞬時にわかるらしい。これを使えば、もちろん正確に計画通り行くかもしれない。しかし大地は使わない。まず、通りがかりの人達に尋ねて情報を得る。これが旅の醍醐味。この人との出会い、コミュニケーションが新たな出会いや発見を生む。このような積み重ねで、スマホに頼らなくても、長年鍛え上げた直感と方向性そして地図を読む力、走行予定時間、サイクリング道路発見などは、ほぼ正確に実行できるから面白い。旅は、まさに人とのふれあいが楽しみである。スマホはこれを奪う代物である。

さりげなくこの旅を子供たちは楽しみ、大変なことをやりとげたという実感は子供たちにはない。完全野宿で朝から晩までどんな天候のでも走り通したこの旅は、大人のサイクリスト達もたぶん驚くことであろう。これは実際に走った人しかわからないだろう。まさに登山と同じ。私たちは、子供たちにはそんな意識はさせない。あくまでもさりげなくでいい。しかし、このい子供たちが大きくなったとき、そして、親になったとき、ちょっと思い出して欲しい。その時に、今回の旅のすごさを実感してくれればいい。