第1章 7歳までの子どもってどんななの?(相手を知ろう)子供にどんな教育をしようか、環境を与えようか、迷っているあなたへ。

まずは、相手(乳幼児)の特徴を探りましょう。

第1章 7歳までの子どもってどんななの?(相手を知ろう)

1. 身体器官・脳の形成

赤ちゃんは生まれて3ヶ月で体重が倍になってしまう。乳幼児に半年も会わなかったら、見違えるように大きくなっている。我々大人なら、ほとんど変化なしなのに。良い身体には、きれいな空気、安全な食べ物、栄養や運動も必要です。

でも、見えない精神的な器官も形成されることを知っていますか。想像力や道徳的思いも受け入れてしまう脳もこの時期から形成されてしまうんです。この為にも、この時期は、精神的、内面的に優れた教育者や大人に囲まれて、そして、想像力を刺激するおもちゃ…環境が必要になります

2. 運動

子供って、寝ているときか病気の時以外は、いつも動いていますね。しかも、自由に動き回っています。でも、よく見ると、どんな動きをしているでしょう。

1;絵画的な活動

バスやショベルカーの運転手になりたい、ケーキ屋さん、花屋さんになりたい。幼児のあこがれです。でも、学者や先生になりたいなんてあまり聞きません。幼児って、絵になる(絵画的)運動に興味をもち、それをまねして遊んでいます。このように、幼児は、絵になる運動が大好きです。

2;音楽・リズムのある活動

説明しなくても、乳幼児は音楽や歌が始まれば、動いちゃいます。

★でも、運動したあとは必ず休みます。心臓は膨らんだり縮んだりする運動を定期的にしてます。子供も、定期的なりズム、運動・休息、運動・休息という、動と静、明と暗の生活リズムが必要です。

3. 模倣

しゃべり方、仕草、お父さんそっくり、似すぎていて怖い なんて思ったことありませんか。そう、幼児って、大人や周囲の動物でもなんでも、身振りや仕草を真似する天才です。だから、真似されたくないこと、環境、人間等が、周囲にない方がいいです似されて良いお手本がたくさんほしいですね。

もっと怖いことを教えましょう。私たちが潜在的に持つ ねたみ、嫉妬、嘘、陰口など、精神的、道徳的なことまで無意識に真似してしまうんです。私たちが上司や隣人の悪口を言ったり、人の足を引っ張ったりする精神的なことまで真似して、その細胞に取り込んでしまい、そんな人間になる基礎を作ってしまうなんて、怖いことです。

ちなみに、幼児は道徳的なことを真似して、児童は、美しいことを、高校生以上は、真理を真似すると言われています。

4. 感覚器官の発達

何でもしゃぶりたがり、触りたがり、気持ちいいことにうれしがり、気持ち悪いことに泣きたがり、いつも動きたがり、そして、物や誰かと関わりたがり。こんな○○したがりが乳幼児ですね。乳幼児は、触覚、生命感覚、運動感覚、平衡感覚の4つが顕著に発達するのです。

1; 触覚

赤ちゃんは、なんでも口に入れ、なんでも触って 物を確かめます。また、おんぶやだっこ、ほおずりなど、触られることも大好きです。触り、触られて、自分や他人の存在を確かめていくのです。

ほおずり、だっこ、おんぶ、手つなぎ、肩車など、あなたはたくさんしていますか。

2;生命感覚

自分の命が、安全で身体が心地よい環境を体感、意識できる感覚です。おむつ代えてもらって気持ちいい 、汗ばんだ服を代えてもらってさっぱり、などの体感から、自分の身体の調子や様子を知る感覚です。

ここで、ちょっと誤解なく。1年中快適 なエアコンの中で、なにも不自由なし、常に快適おむつや衣服で過ごさせれば最高と考えないでください。これじゃ、何も感じなく、感覚が麻痺してしまいますね。あー、気持ちよくなった、すっきりした、最高な気分になった など、このメリハリが重要!!

★ 大好きな人、恋人と、美しい場所で、おいしいものを食べている時、不平を言う人なんていませんね。

乳幼児も、食欲が満たされ、十分な睡眠があり、快適な環境(温度、湿度、光、音、色、匂いなど)のなかでは大満足。お腹がすいたら、ご飯を食べ、眠くなったら、静かに眠れ、衣服やおむつもタイミング良く代えてもらえ、四季のリズムのある場所で、リズムある生活や運動ができれば、この感覚は、抜群に育ちます。

3;運動感覚(運動神経、運動機能とはちがいますよ!)

人間って、何かをするときに必ず、身体を動かしますね。この身体が動いたことを知覚する感覚です。

長い時間仕事をしていたら疲れた、ちょっと外へ散歩に行って身体でも伸ばしてくるか、この行動には、快適な身体に戻そうとする、先の生命感覚と、そのために 行動しようとする、運動感覚が働いています。

ここでチェックしておいていただきたいことは、もう1つ。私たちの動きは、心臓を始め、収縮と拡散、静と動のリズムがあることです。 運動感覚は、この身体および心のリズムまで知覚することなんです。

うれしいとき、喜びの時、手をたたいたり、ガッツポーズ、万歳をしたりします。喜び、自由、解放などが拡散のイメージです。

寒いとき、悲しい時、落胆、失敗して、身をすくめたり、首を垂れたり。悲しみ、嘆き、苦しみなどが、収縮のイメージです。

もちろん、逆の時、感動のあまりじっとすることもありますね。このように、この2つのリズムがバランスよくとれていればすばらしいです。1日中、拡散的に走り回っているだけでなく、また、ずっと、テレビを見ているのでなく、このリズムをしっかり保証してあげることが大事です

★ 運動神経・運動機能との違い

水泳教室、体操教室などは、運動機能を高める、強めることになりますがが、それによって運動感覚は高まりません。 運動感覚は、泳いだ後昼寝をする、体操後ゆっくり休むなどのリズムを正しく繰り返すことで高まるのです。

4;平衡感覚(平均台で鍛えるのは、外面的平衡感覚)

赤ちゃんが立って歩行することは、代表的なことです転車もそうかな。これらは目に見える外面的なことです。立つこと、自転車に乗れるまでの過程には、あらゆる周囲のものからの支え、信頼、励ましなどがありましたね。決して、立つことは無理だから、なんて言う人はいませんでした。

平衡感覚って難しいのですが、人と人との距離のバランス、人との関係が平等であるということです。(内面的平衡感覚)たくさんの人の支えを必要としたときに、必要なことを適切にタイミング良くしてもらえたか、支え、励まし、慰め、応援、喜びなどを精神的に安定状態を保てる環境を満たしてもらっているかどうかということです。そうすると、友達や自分以外のものと、良い関係を保つことが出来ます。

5. 自然の1員

幼児が地面に座り込んで、何かぶつぶつ言っていることをみたことありませんか。覗いてみたら、蟻や虫に話しかけていたり、目で追いかけていたり。

また、水や泥、木の棒、お花、砂、土、川など、文句なしで好きですね。水や泥で遊んでいれば、時間を忘れてしまいますね。このように、子供は自然の1員という言葉がぴったりですなど、子供達って、何にでもなりきってしまいますね。想像の世界、おとぎの世界にすぐに入れます。絵本をみているときも、完全にその表情を見ていると、その世界に入りきっています。

6. メルヘンとファンタジーの世界

また、ごっこ遊びでお姫様なんかになって遊んでいるとき、ご飯ですよの声で、ご飯をすました後、またすぐに、お姫様になって遊ぶ。容易に、空想と現実の世界を行き来出来ます。つまり、幼児は、現実と空想の世界に住める両生類なのです。こんな風に遊べるのはこの時期だけです。

対極的なことは、科学です。科学という言葉に、大人は弱いのですね。早くから、科学的なことを知っていた方が、将来役にたつと考えたことはありませんか。そんなおとぎ話や空想の話しは、嘘の世界だから、そんなことより、現実に役立つことをしなさいと思ったことはありませんか。

こんな怖い話しがあります。幼児期の時に、じっくりメルヘンとファンタジーの世界を味わっておかないと、将来、違った形で、それを味わうことになるということ。 14歳や17歳ですごい事件を起こした子供達がいます。シンナーや覚醒剤、暴走族、尾崎豊などの有名人の自殺への後追い自殺。これらは皆、大きくなってからのゆがんだファンタジーの世界です。最近は、成人後の携帯電話での集団自殺も同じです。これらの人達に共通なことは、幼児期に早期教育などで、十分なおとぎの世界や空想の世界を子供だましだからと体験出来なかったことが上げられます。

自分自身の記憶をたどってみても、年長以前のことは、ほとんど覚えていませんね。だから、これ以前の知識的教育は、必要かどうか、自分自身に照らして考えてみて下さい。


以上、6つの特色がおわかりになりましたか。幼児をよく見れば、なるほどとうなずけることはあるのではないでしょうか。これが幼児の本来の人間としての姿です。これであなたは、幼児という正体を探ることが出来たと思います。